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所得控除(9)

前回のコラム:所得控除8
 

前回は新しい「セルフメディケーション税制」についてご紹介しました。
この制度は簡単にいうと“一定の取組”をする人が、ドラッグストア等で“対象の薬”を12,000円以上買ったら、所得控除が受けられますよ、というものです。
※条件などには詳細な定めがあります。

“対象の薬”は決められていて、厚生労働省のホームページで確認することができます。
厚生労働省HP:この下の方の”対象品目一覧”に掲載されています。

この”対象の薬”の購入額の合計額から12,000円を控除した金額、最大で88,000円までが控除額となります。

「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」は似ているようで異なる点もあり、ふたつ同時に受けることはできないことになっています。
今回は、このふたつの制度の対象となる範囲の違いについてみてみましょう。

「医療費控除」の対象となるのは、お医者さんに診てもらったときに支払った料金やドラッグストアで買った風邪薬など“治療と療養”にあたるものでしたね。
一方、「セルフメディケーション税制」は“対象となる薬”が決められているということでした。

そうなると、病院でお医者さんに診てもらったときに支払った料金は、「医療費控除」のみ対象となりますね。
もし、ドラッグストアで買ったかぜ薬が「セルフメディケーション税制」の対象の薬なら、「医療費控除」も「セルフメディケーション税制」も対象となります。
例えばそのかぜ薬が「セルフメディケーション税制」の対象でなければ、「医療費控除」のみ対象となりますね。

このようにドラッグストア等で買った「医療費控除」の対象となる薬には、「セルフメディケーション税制」の対象となるものとならないものがあるということです。
つまり、ドラッグストア等で買った医薬品は、
・「医療費控除」「セルフメディケーション税制」両方の対象
・「医療費控除」の対象だが「セルフメディケーション税制」の対象外
と、このふたつのどちらかに分かれることになります。

なんか細かい話ですね。
もしも”病院等への医療費は全くかかってないし、「対象の薬」は買うけど10万円は超えないなぁ”という方は、「医療費控除」を受けることはなさそうですね。
反対に、”体調が悪いときは必ず病院で診てもらうから市販薬は買わないんだ”という方は、「セルフメディケーション税制」を受けることはないでしょう。
このようにどちらかの制度を受けることはなさそう、という方にはこの違いはあまり問題にならないかもしれません。

ところが、“今年は病院にも行ったし、市販薬もたくさん買ったな~”というような、どちらの制度も受けられそうな方は注意が必要になります。

このふたつの制度は同時には受けることができないので、もし“両方とも受けられそうだ”という場合は、どちらかひとつを選択しないといけません。その際に、この違いが重要になってきます。

ここで、少し具体例をみてみましょう。分かりやすいように総所得金額等は200万円を超えていることにします。

会社員のDさん一家は、病院へは行かず、いつも市販薬を利用していました。
1年間の市販薬の購入金額は16万円で、その薬はすべて「医療費控除」も「セルフメディケーション税制」もどちらも対象となる薬でした。
この場合、「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらを受ける方が所得控除が多くなるでしょうか?

まずは「医療費控除」です。
16万円-10万円=6万円 で、6万円が所得控除の金額ですね。
次に「セルフメディケーション税制」です。
16万円-1万2千円=14万8千円 で、上限の8万8千円より大きいので、所得控除の金額は上限金額の8万8千円となります。
というわけで、この例ではセルフメディケーション税制」が有利ということになります。

では次に、Eさん一家をみてみましょう。
1年間に病院で診てもらった料金は8万円でした。
ドラッグストアで購入した薬の金額は合計で10万円です。そのうち、「医療費控除」のみ対象となる金額が2万円で、両方とも対象となる金額が8万円でした。
ちょっとややこしくなってきましたが、計算してみます。

まず「医療費控除」は、病院の診察料8万円と薬局での薬の購入金額10万円を足して、10万円を引きます。
(8万円+10万円)-10万円=8万円 で、8万円が所得控除の金額ですね。
次に「セルフメディケーション税制」は、対象の薬の購入金額の8万円から1万2千円を引きますね。
8万円-1万2千円=6万8千円 で、6万8千円が所得控除の金額です。
こちらのケースは医療費控除」が有利ということになります。

複雑なように見えるかもしれませんが、ポイントはドラッグストアで購入した薬のうち、「医療費控除」のみ受けられるものと、両方とも受けられるものとにきちんと分けることです。
その上でどちらが有利になるか、計算してみましょう!

さて、セルフメディケーション税制を受けられるのは、「“一定の取組”をする人」ということになっています。
次回はこの“一定の取組”についてご紹介します。

セルフメディケーション税制はできたばかりの制度で、対象の薬もこれから増える可能性があります。薬を買ったときには対象となっていなくても、その後に対象となる場合も考えられますので、ドラッグストアで薬を買うことが多いという方は、確定申告の前に、厚生労働省のホームページをご確認いただければと思います!
よく分からないという方は、一度税理士にご相談ください!

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