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決算対策としての「在庫」(2)

前回のコラム:決算対策としての「在庫」1
 

前回のコラムでは、決算セールが多い理由と、期末の在庫は経費になりませんよ、という話をご紹介しました。

これは仕入れ時の金額をそのまま在庫の金額とした場合の話なんです。
実際にも仕入れ時の金額を使うケースがほとんどではあるのですが、こんな方法もありますよ~ということで、「低価法」をご紹介します。

当期の経費にできるのは、仕入れの金額ではなく、実際に売れた部分の「売上原価」だけでしたよね。売上原価は、「期首の在庫の金額+仕入れの金額」から「期末の在庫の金額」を引いて計算します。
そのため、売上原価の計算上、「期末の在庫の金額」は、とても重要となります。

期末の在庫の金額をどうやって決めるのかというと、
1)仕入れの時に決めた金額をそのまま使う方法
2)仕入れの時に決めた金額と期末の評価額(時価)のどちらか低い方の金額を使う方法

の2つの方法が選べます。
※仕入れ時の金額(取得価額)の決め方にもルールがあります

2)の方法を「低価法」といいます。
低価法によれば、仕入れの時に決めた金額よりも期末時点での時価が下がった場合に、その下がった分も経費にすることができるんですね。
この方法を採用するためには、税務署への手続きが必要となります。

税務署への手続きは、2パターンあります。
※事業の種類ごと、資産の区分ごとに選択することができます

<1.法人を設立した場合や、新たな事業を始めた場合>
その事業年度の確定申告期限までに棚卸資産の評価方法の届出書を提出します。

<2.今までのやり方から変更したいという場合>
変更を適用したい事業年度の開始の日の前日までに棚卸資産の評価方法等の変更承認申請書(略称)を提出します。

この低価法にすれば、決算の時に経費を増やせるのか?!
・・・というと、確かに経費は増やせそうなんですが、低価法を採用するためにいくつかハードルがあります。

まず、低価法を採用するためには、「時価」が必要になるんですが、客観的あるいは合理的な金額をつけるのは、なかなか難しいですよね。
時価がつけられたとしても、金額の比較が必要になるので、商品の種類が多い場合などは、とても手間がかかってしまいます。

また、事業の開始時以降に低価法を採用しようと思うと、採用したい事業年度が始まるまでに税務署に申請をして、承認をもらう必要があり、思い立ってすぐには採用できないのですね。
このような理由からも、実際にはほとんどの会社では低価法は採用されていないのが現状です。

税務署への手続きに料金はかかりませんので、会社の状況からみて、低価法の方がメリットがありそうだと思った方は、ぜひ税理士に相談してみましょう。

 

大阪の税理士 曽我部会計事務所