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決算対策としての「在庫」(1)

 

さて、今回は「在庫」のお話です。
毎年2月、3月になると「決算セール」をよく見かけますよね。
なぜ決算前にセールが多いのかというと、ひとつは、
「売れ残った商品は、経費にならないから」なんです。

以前のコラムで、在庫の棚卸しについてご紹介しました。
在庫の棚卸し

棚卸しをしなければいけない理由のひとつは、「会社が1年間でどれだけ儲かったか(または損したか)」を正しく計算するためなんですね。

例えば、次のような場合、利益又は損失はいくらになるでしょう?
・仕入れ 200万円
・売上げ 150万円
・期末在庫 100万円
分かりやすいように期首棚卸はなかった場合を考えます。

この場合、「売上げ150万円-仕入れ200万円」で、
「50万円の損失」・・・とはしないんですね。

まずは期末在庫を考慮して売上原価を計算します。
「仕入れ200万円-在庫100万円=売上原価100万円」
それから「売上げ150万円-売上原価100万円」で、
正解は、「利益は50万円」ということになります。

会社の1年間の利益又は損失を正しく計算するためには、
仕入れ等の金額から在庫棚卸の金額をマイナスして、
当期に実際に売れた分の金額、「売上原価」を計算します。

実際に売れた分の金額だけが当期の経費になる、
つまり売れ残りは経費にはならないということになります。

なんで実際に売れた分だけなんだろうな~?と思った方は、
ちょっとこんな例を考えてみてください。

M社は1期目に200万円の機械を2台仕入れ、そのうちの1台を150万円で販売しました。2期目は残りの1台を150万円で販売しただけで、まったく仕入れを行っていません。
<1期目> 仕入れ 200万円、売上げ 150万円
<2期目> 仕入れ   0円、売上げ 150万円

もしもこれを単純に差し引きしてしまうと、
<1期目> 損失 50万円  <2期目> 利益 150万円
となってしまいますが、この機械は1台100万円で仕入れ、
150万円で販売しているので、1台あたりの利益は50万円ですよね。
それなのに2期目に150万円の利益となると、おかしいですよね。

この場合も在庫棚卸を考慮して、
<1期目> 利益 50万円  <2期目> 利益 50万円
となります。

このようにちょっと極端な例で考えてみると、実際に売れた分だけが経費になる理由が、少しは分かりやすくなったでしょうか。

さて、「決算セール」の話に戻ります。
当期に売れ残っても、翌期に「そのままの金額で売れる場合」は、そんなに問題はありません。翌期に売ればすぐ経費にできるからです。
しかし、季節商品や流行に合わせた商品などが売れ残ると、
そのままの金額では売れなくなってしまうことが多いですよね。

売れ残りをそのまま在庫として持っておくと、なかなか経費にできず、
さらに保管や維持するための料金がかかってしまい、
う~ん・・・、いいことがありません。

というわけで、値段を少し下げてでも売ってしまおうというのが
「決算セール」の実態なんですね。

期末に残った在庫の金額はどうやって決めるの?
という評価方法については、次回ご紹介します。

関連記事:
決算対策としての「在庫」2

 

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