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銀行員にとって転勤とは?



今回のテーマは「銀行員にとって転勤とは?」です。

 

ご存じの方も多いと思いますが銀行に総合職として入社すると

必ず数年に一度転勤があり、勤務する支店(本店の場合は部署)が

変わります。

 

転勤のサイクルは銀行によってまちまちですが、早いところで2年ぐらい、

私のいた政府系の銀行ではおおむね5年ぐらいのサイクルでした。

 

全国規模の銀行だと転勤イコール引越しとなる場合が多く、

40代以上になると単身赴任する人もかなりでてきます。

また、会社の都合で転勤や単身赴任をするわけですから

社宅や借上げ住居の用意など、経費も多くかかります。

 

さらに、同じところで長く仕事をした方が土地勘や人脈もできて

営業成績の面からも効率が上がっていいのでは?

という疑問もある中、必ず転勤させるのはなぜでしょうか?

いくつか理由があるので挙げてみましょう。

 

☆理由その1 「不正を防ぐ」

以前にも少し書きましたが、銀行員は結構簡単に

不正ができてしまう立場にあります。

特に営業などの外勤では上司の目が届かないところで大金を

扱ったりしますので、その気になれば・・・というところです。

実際、「お年寄りから預かったお金を長期にわたって着服していた」という

ニュースが年に一度くらいは流れているのを見ます。

信頼しきって通帳と印鑑を預けてしまっているのですね。

 

あと、大きな事件では「大和銀行ニューヨーク支店事件」というのが

ありました。

これは銀行自体が行う債券・為替トレード担当者が、損失を出したことを

隠してさらに大きな取引を重ね、最終的に11億ドルまで損失が膨らんだ

というものです。

この事件は12年間、この担当者が告白するまで発覚しませんでした。

例えばですが3年で交代という決まりがあればここまでの損失は

出ませんでした。

「必ず転勤があって別の人が見ればすぐ発覚してしまう」という前提が

あれば不正をしようとする人もずいぶん減りますよね。

 

☆理由その2 「顧客との癒着を防ぐ」

営業職の経験がある方はおわかりになると思いますが、担当してしばらくは

お互い「会社と会社の取引のいち担当者」としての付きあいですが、

だんだんと気心も知れて仲良くなると「人と人との付きあい」になってきます。

食事やゴルフ等の接待を受けることもあるでしょう。

 

そうすると、だんだん「お客さんからの頼み」が断りにくくなってきます。

銀行融資は担当者の判断・書類の書き方が大きなウェイトを占めますので、

例え決算・業績が悪化傾向にあっても「一時的なものなので支援継続したい」とか、

客観性を失って会社側よりの判断をしてしまうことがあります。

 

また、融資を継続しないと会社の資金繰りが行き詰ってしまう場合だと、

もし断って倒産でもされたら回収できない分は銀行の損失になります。

それまでに自分が担当している間に実行した融資がたくさんあれば・・・?

担当者が判断を誤っていたことになり、人事評価にも響いてきます。

自分が担当の間はなんとかもたせたい・・・と考えるのが人情ですね。

 

そういった関係を断ち切るために転勤があります。

担当者が転勤でいなくなり、新しい担当者が転勤してきます。

先入観の無い新しい目で見ると「なんでこの会社にこんなに

融資してるんだ?」と思ってしまうような会社も多くあります。

担当が変わって急に対応が厳しくなったなんてことはよくあります。

もっとも、その人も前の支店で同じようなことをしてきてるんですけどね。。。

銀行では、転勤した後のことについてはルール違反や不正でもしていない

限りはあまり責任を問われないという不思議な文化があります。

転勤した先に電話して過去のことについて聞くこともあまりしません。

また、担当先が倒産したとしても前の担当者のやったことについては

あまり怒られることはありません。

誰も責任をとらされることなく、「仕方ないか」ということになるんですね。

 

☆理由その3「いいガス抜きになる」

どの業界でも当てはまることだとは思いますが、銀行では特によく言われます。

長く担当していると「あの会社大丈夫かな・・・」とか

「あの社長にどう言って断ろう・・」とかどんどんストレスが溜まってきます。

また、会社からは聞いているけど上司には報告していない・自分しか

知らないことをたくさん抱えていたりします。銀行ではよく「爆弾」と

言っていましたが。

 

転勤していく人が「結構爆弾埋まってるから気をつけてね~」と冗談交じりに

言ったりします。うれしそうに。聞いてる方もそんなに気にしません。

お互い様なんですね。

一般的には転勤の辞令が出てから2週間ぐらいで実際に移るのですが、

その間が銀行員にとって一番幸せな時間です。

全てのストレスから解放されてニコニコ過ごしています。

まあご家族の方はそうでもないと思いますけど・・・。

 

 

大阪の税理士 曽我部会計事務所