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銀行員が行う自己査定とは?(2)



さて、今回のテーマは「銀行員が行う自己査定とは?パート2」。

前回↓の続きですね。
http://kessan-s.com/ginkou/%E9%8A%80%E8%A1%8C%E5%93%A1%E3%81%8C%E8%A1%8C%E3%81%86%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%9F%BB%E5%AE%9A%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F

自己査定とは、銀行が抱える不良債権を自ら把握し、監督官庁である

金融庁に報告をするための作業である、とお伝えしました。

 

では、具体的に銀行員はどんな作業をしているのでしょうか?

ここでは、現場の支店レベルのお話をしましょう。

 

まず、支店の全ての融資取引先の中から、一定の基準にあてはまる

会社をピックアップするところから始まります。

この基準は銀行によって多少違うようです。

私がいた銀行では(もう5年以上も前ですが・・・)

 ・融資金額が5億円以上の全ての会社

 ・融資金額が1億円以上で2期連続経常赤字又は債務超過の会社

 ・融資残高に関わらず、当初の約定通りの返済ができなくなって

   契約を変更(毎月の返済を減らす又は止める)している会社

 ・融資の返済を延滞している会社

 ・事業を停止している、破産・銀行取引停止等が起こっている会社

などなど、といった感じでしょうか。

 

これらの会社を、前回お伝えした

①正常先

②要注意先

③要管理先

④破綻懸念先

⑤実質破綻先

⑥破綻先

という6段階に分類していくわけです。

 

もっとも、別に「自己査定」という作業が無くても通常は毎期の決算書や

試算表等は会社から受け取っているはずですから、一から作業すると

いうわけではありません。再確認の意味合いが強いです。

 

なぜ「自己査定」の作業が大変かというと、一つでも上にランクしたい

銀行側と、厳しく査定してできるだけ下のランクに落とそうとする

金融庁側のせめぎあいが発生するからです。

 

ではどうして銀行側は一つでも上にランクしたいのでしょうか?

それは銀行自身の決算に大きく関係してくるから。

具体的には「貸倒引当金」の金額です。

 

「貸倒引当金」とは、一般的には債権(売掛金・受取手形・貸付金)の

金額に応じて会社の費用に計上するものです。

中小企業であれば費用が増えれば利益が減り、税金が減って

喜ばしいのですが・・・?

 

銀行は上場企業です。したがって、利益が少ない又は赤字になれば

株価が下がります。経営陣の責任も問われます。

不良債権は出来るだけ少なく見積り、いい決算にしたいですよね。

 

例えば、ある債務超過の会社があったとします。

融資金額は10億円で全て無担保とすると・・・?

この会社が「要注意先」で収まれば引当金は0.3~0.5%。

金額にすると300~500万円。多少の延滞等があって

「要管理先」であっても15%で1.5億円です。

 

これが「債務超過解消の見込みが薄い」と判断されて

「破綻懸念先」となってしまうと・・・引当金は一気に70%。7億円です。

これが銀行の決算に反映されるわけですから、これが原因で銀行が

赤字に転落することも十分起こりえますよね?

 

ですから、銀行としてはなんとか上のランクに留めておきたい。

でも、金融庁側はそう簡単に通してくれない。

「不良債権少ないですよ~」って言ってていきなり破綻されたら

今度は金融庁の責任問題ですから。

ここで「せめぎあい」が起こるわけです。

 

その「せめぎあい」の具体的な内容については

次回以降のコラムでお話することにしましょう!

大阪の税理士 曽我部会計事務所